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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体

ケモカイン受容体の協働作用による効率的なリンパ球移動の誘導

著者: 小林大地1 宮坂昌之1 早坂晴子1

所属機関: 1大阪大学医学系研究科 免疫学フロンティア研究センター

ページ範囲:P.398 - P.399

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 ケモカインは間質細胞,血管内皮細胞,上皮細胞,神経細胞,白血球などの種々の細胞から産生される低分子量塩基性分泌タンパク質であり,サイトカインの一種である。ケモカインは7回膜貫通型Gタンパク質共役型受容体(G protein-coupled receptor;GPCR)を介して細胞内にシグナルを誘導する。特定のケモカインは特定のケモカイン受容体に選択的に結合し,ケモカインとケモカイン受容体の組み合わせにより,細胞応答性が調節される。免疫細胞や周囲の組織が発現するケモカインは恒常状態や炎症状態における免疫組織への免疫担当細胞動員調節に重要な役割を果たす。

 ケモカインの中ではCCL19,CCL21,CXCL12の三つがリンパ節および小腸パイエル板の特殊な血管である高内皮細静脈(high endothelial venule;HEV)の周囲や二次リンパ組織実質内に発現1)し,血管系から二次リンパ組織へのリンパ球移動に中心的な役割を果たす。CCL19/21はHEV内皮細胞を含むリンパ節のストローマ細胞により産生され,リンパ球に発現する受容体CCR7に結合する。一方,CXCL12はリンパ節の種々のストローマ細胞で産生され,リンパ球に発現するCXCR4に結合する。CCL19/21が二次リンパ組織で欠損するplt/pltマウスやCCR7欠損マウスでは,二次リンパ組織内でのT細胞減少や局在異常がみられる。CXCR4を欠損したリンパ球ではCCR7リガンド非存在下におけるリンパ節への移動効率が低下する1)

参考文献

4:360-370, 2004
182:1287-1295, 2009
105:3405-3412, 2005
198:823-830, 2003
189:191-199, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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