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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体 )

ETB受容体を介した視神経保護の可能性―炎症反応の観点から

著者: 奥英弘1

所属機関: 1大阪医科大学 眼科学

ページ範囲:P.402 - P.403

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●アストロサイトの活性化とEndothelin

 アストロサイトは視神経など中枢神経系を構成する主要なグリア細胞である。アストロサイトは神経伝達,細胞外環境の維持,血液脳関門の構成など神経機能維持に重要な作用を果たしている。様々な中枢神経傷害で活性化され,glial fibrillary acidic protein(GFAP)など,骨格蛋白質発現亢進に代表される形質変化を来す。

 反応性アストロサイトはintercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)やvascular cellular adhesion molecule-1(VCAM-1)などの接着分子を発現し,また,サイトカインやNGF,bFGFなどの神経栄養因子を分泌する。これらの反応は神経修復過程に重要な役割を果たすが,一方でneuro-inflammationを惹起する。反応性アストロサイトはミクログリア・マクロファージなどの炎症性細胞と共に,TNF-αや一酸化窒素などの細胞傷害性分子を分泌し,神経傷害を増強する側面を持ち,過剰な反応はグリア瘢痕を生じ,二次的な軸索障害につながる。Endothelin(ET)は血管収縮ペプチドとして発見されたが1),神経ペプチドとしても機能し,特にアストロサイトの活性化に深く関与している。

参考文献

332:411-415, 1988
7:e43199, 2012
145:180-195, 1997
26:268-271, 1999
121:1429-1444, 2011
53:3490-3500, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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