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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体 )

TRHおよびPACAP type Ⅰ(PAC1)受容体とプロラクチン産生

著者: 金﨑春彦1 宮﨑康二1

所属機関: 1島根大学医学部 産科婦人科

ページ範囲:P.422 - P.423

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 プロラクチンは下垂体前葉のプロラクチン産生細胞(ラクトトローフ)で合成・分泌される。プロラクチンは主としてドーパミンにより抑制的制御を受けて調節されており,乳腺を発育させ授乳期の乳汁分泌を促進するほか,産褥期の排卵を抑制する。また,黄体機能維持や着床促進,免疫に関する機能などを持つとされるが,それらの生理的意義に関しては不明な点が多い。妊娠期,産褥期以外の時期にプロラクチンが過剰に分泌される病態が高プロラクチン血症であり,無月経をはじめとする月経異常や乳汁分泌が生じ,排卵障害に伴う不妊症の原因にもなる。治療にはドーパミンD2受容体アゴニストが用いられる。

 ドーパミンが下垂体プロラクチン産生におけるプロラクチンの合成・分泌を抑制的に制御するのに対し,数々の視床下部因子がプロラクチン放出促進物質として挙げられている。このうちthyrotropin-releasing hormone(TRH)とpituitary adenylate cyclase-activating polypeptide(PACAP)は共にプロラクチン合成・分泌に促進的に作用する視床下部因子である。本稿ではこの二つのペプタイドおよびその受容体であるTRH受容体,PACAP type Ⅰ(PAC1)受容体のプロラクチン産生細胞における機能について概説する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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