icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体

血球貪食症候群とCD47の発現低下

著者: 竹中克斗1 赤司浩一12

所属機関: 1九州大学病院 遺伝子細胞療法部 2九州大学大学院医学研究院 病態修復内科学

ページ範囲:P.438 - P.439

文献購入ページに移動
 免疫監視機構において,自然免疫系のマクロファージは異物や老化した細胞,傷害を受けた細胞を認識し,貪食によって除去する主要な免疫監視機構の一員である。近年,マクロファージの貪食を負に制御するメカニズムが明らかにされ,注目を集めている。この制御機構は,マクロファージ上に発現する受容体SIRPA(signal regulatory protein alpha)と,ほぼすべての細胞に発現するリガンドCD47がその役割を担っている。SIRPA-CD47系は生体内で“marker of self”あるいは“don't eat me”シグナルとして,マクロファージによる貪食を回避する役割を担っている1,2)。白血病造血幹細胞や固形癌細胞はマクロファージの貪食による免疫監視機構を逃れるため,CD47を高発現させていることが報告されている3)。このように,SIRPA-CD47系シグナルのバランスの変化はマクロファージによる免疫監視を破綻させ,種々の病態を引き起こすことが予想される。本項ではCD47発現低下と血球貪食症候群について概説する。

参考文献

19:72-80, 2009
8:1313-1323, 2007
138:286-299, 2009
118:4041-4052, 2011
120:4058-4067, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?