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増大特集 細胞表面受容体
ATP受容体P2X4と神経障害性疼痛
著者: 井上和秀1
所属機関: 1九州大学大学院 薬学研究院 薬理学分野
ページ範囲:P.444 - P.445
文献購入ページに移動 ATPは細胞内でリン酸化基質として細胞機能を維持する一方,細胞外ではUTP,UDPなどの他のヌクレオチドと共に各種ATP受容体を介して細胞間情報伝達物質として機能する。ATP受容体はイオンチャネル型受容体(P2X)とGタンパク質共役型受容体(P2Y)に大別される。現在,サブタイプはそれぞれ7種類(P2X1-P2X7)および8種類(P2Y1,2,4,6,11~14)が報告されている。P2X受容体サブタイプは細胞膜2回貫通型分子(約400-600アミノ酸残基)であり,3分子がホモあるいはヘテロに会合して,非選択的カチオンチャネルを形成する。モルヒネも効きがたい難治性疼痛の代表である神経障害性疼痛は“人類史上最悪の痛み”と言われているが,その発症メカニズムとして脊髄後角の活性化型ミクログリアに発現するP2X4受容体の役割が注目されている。
参考文献
106:8032-8037, 2009
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掲載誌情報