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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体 )

新たな脂肪蓄積遺伝子ALK7

著者: 泉哲郎1

所属機関: 1群馬大学生体調節研究所 遺伝生化学分野

ページ範囲:P.446 - P.447

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●ALK7に関するこれまでの知見

 Transforming growth factor-β(TGF-β)スーパーファミリーは共にキナーゼ活性を有するⅠ型およびⅡ型受容体の複合体を介して細胞内にシグナルを伝達する。リガンド結合により活性化されたⅡ型受容体キナーゼはⅠ型受容体細胞質内領域にあるGSドメインをリン酸化する。これにより活性化されたⅠ型受容体キナーゼはSmadと総称される分子をリン酸化して,これを細胞質から核内に移行させ,特定遺伝子の発現を制御する。ヒトおよび哺乳類では,7種のtype Ⅰ受容体,5種のtype Ⅱ受容体の存在が知られている。ALK7はactivin receptor-like kinase(ALK)と総称されるⅠ型受容体の7番目という呼称からもわかるように,他のⅠ型受容体とのアミノ酸配列相同性より,1996年にクローニングされた。脳,特に小脳,前立腺,脂肪組織などでの発現が報告されたが,リガンド不明のオーファン受容体として,その機能は不明であった。アフリカツメガエル胚での発現実験により,中内杯葉や左右の形成にかかわるnodalという分子の受容体であることが2001年に提唱されたが,ALK7ノックアウトマウスが発生異常を示すことなく,生存・繁殖可能であることが2004年に報告され,ALK7はnodalシグナルに必須ではないことが明らかとなった。

参考文献

48:1183-1191, 1999
17:375-384, 2006
62:115-123, 2013
105:7252-7256, 2008
(in press)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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