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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体 )

卵の成熟におけるEGF受容体の活性化と活性化因子

著者: 島田昌之1 山下泰尚2

所属機関: 1広島大学大学院 生物圏科学研究科 2県立広島大学 生命環境学部

ページ範囲:P.462 - P.463

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●排卵(卵成熟)と顆粒膜細胞分泌因子の関係

 卵巣には卵胞という構造があり,この卵胞に一つの卵が存在している。卵胞は卵胞膜,それを裏打ちする顆粒膜細胞層,その一部が隆起した卵丘細胞層からなり,卵丘細胞層が卵を覆っている(図)。排卵とは卵胞にある卵が第二減数分裂中期にまで到達した状態(成熟卵)で,受精が行われる卵管へと排出される現象であり,卵胞膜の破裂,顆粒膜細胞層の再構築(黄体化),卵丘細胞層へのヒアルロン酸を主成分とする細胞外マトリクスの蓄積(卵丘細胞層の膨潤)といった一連の変化と共に引き起こされる。

 この排卵現象は脳下垂体が分泌する黄体化ホルモン(luteinizing hormone;LH)により誘導されるが,その受容体は卵胞膜と顆粒膜細胞に存在し,卵や卵と共に卵管へと排出される卵丘細胞には発現していない。したがって,一連の排卵現象(卵成熟を含む)にはLH刺激を受けた顆粒膜細胞が発現・分泌し,卵丘細胞や卵を刺激する二次因子が必要となる。このような背景から排卵期にLHにより顆粒膜細胞が発現・分泌する因子の探索が行われてきた。

参考文献

303:682-684, 2004
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25:104-116, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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