文献詳細
文献概要
増大特集 細胞表面受容体 )
ヘレグリン(HRG)とErbBの結合とErbBの二量体化
著者: 佐甲靖志1
所属機関: 1理化学研究所 細胞情報研究室
ページ範囲:P.466 - P.467
文献購入ページに移動●ヘレグリンとその受容体
ヘレグリン(heregulin;HRG)は上皮成長因子(epidermal growth factor;EGF)ファミリーに属する細胞外情報蛋白質である。EGFが細胞増殖を促すのに対しHRGは細胞分化を促す。HRGはまた,神経系の初期発生や統合失調症の発症に関連する因子でもある。
HRGの受容体は,これもEGF受容体と共にErbB1-B4のファミリーを構成している。B3,B4がHRG受容体であり,本稿ではまとめてHRG受容体(HRGR)と呼ぶ。HRGRは細胞膜を1回貫通する膜内在性蛋白質で,細胞外にリガンド結合部位,細胞内にチロシンリン酸化酵素部位と,それに続く分子認識部位を持つ。ただしB3のリン酸化酵素活性は極めて弱い。リガンド結合によって分子認識部位の複数のチロシンがリン酸化され,情報伝達機能を発揮する1)。
ヘレグリン(heregulin;HRG)は上皮成長因子(epidermal growth factor;EGF)ファミリーに属する細胞外情報蛋白質である。EGFが細胞増殖を促すのに対しHRGは細胞分化を促す。HRGはまた,神経系の初期発生や統合失調症の発症に関連する因子でもある。
HRGの受容体は,これもEGF受容体と共にErbB1-B4のファミリーを構成している。B3,B4がHRG受容体であり,本稿ではまとめてHRG受容体(HRGR)と呼ぶ。HRGRは細胞膜を1回貫通する膜内在性蛋白質で,細胞外にリガンド結合部位,細胞内にチロシンリン酸化酵素部位と,それに続く分子認識部位を持つ。ただしB3のリン酸化酵素活性は極めて弱い。リガンド結合によって分子認識部位の複数のチロシンがリン酸化され,情報伝達機能を発揮する1)。
参考文献
141:1117-1134, 2010
37:353-373, 2008
105:112-117, 2008
109:13984-13989, 2012
25:4215-4222, 2006
掲載誌情報