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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体

神経発生における細胞接着分子L1の役割

著者: 上口裕之1

所属機関: 1理化学研究所 脳科学総合研究センター 神経成長機構研究チーム

ページ範囲:P.488 - P.489

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 L1は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する1回膜貫通蛋白質である1)。Xq28に存在するヒトL1遺伝子は脳神経系の発生に重要な役割を担っており,L1遺伝子の変異は伴性劣性遺伝性水頭症とMASA症候群(精神発達遅滞,失語症,けい性歩行,母指の内転屈曲)などの原因となり,これらの疾患を連続したスペクトラムととらえL1症候群と総称する。病理組織学的には錐体路低形成,脳梁低形成,小脳虫部低形成などを示し,特発性水頭症と比較して脳室腹腔シャント術後の機能予後は不良である。L1ノックアウトマウスも類似の神経発生異常を示し,L1症候群の発症機序の研究に利用されている。

参考文献

10:19-26, 2007
12:191-203, 2011
32:282-296, 2012
16:1678-1683, 2006
72:285-299, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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