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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体

c-kit変異と消化管間質腫瘍

著者: 宮﨑真一郎1 今野弘之1

所属機関: 1浜松医科大学 外科学第二講座

ページ範囲:P.492 - P.493

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KIT

 KITはc-kit遺伝子にコードされる1回膜貫通型のtype Ⅲ受容体型チロシンキナーゼである。KITのリガンドはStem cell factor(SCF)であり,SCFとKITの結合によりKITのホモ二量体が形成され自己リン酸化が起こり,細胞増殖・生存にかかわるMAPK経路,PI3K-AKT経路,JAK-STAT経路などにシグナルが伝達される。生体内ではKITはメラニン細胞,肥満細胞,消化管ペースメーカーの役割を担うCajal介在細胞に発現している。c-kit変異には機能獲得型変異と機能喪失型変異がある。前者ではKITの恒常的活性化が起こり,一部の黒色腫,肥満細胞症,消化管間質腫瘍(GIST)の原因となる。本稿ではc-kit変異GISTについて概説する。

参考文献

279:577-580, 1998
11:865-878, 2011
97:127-132, 2006
102:883-889, 2011
16:741-745, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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