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増大特集 細胞表面受容体
LDL受容体とその発現調節
著者: 佐藤隆一郎1
所属機関: 1東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命化学専攻 食品生化学分野
ページ範囲:P.494 - P.495
文献購入ページに移動LDL受容体は血液中のリポタンパク質LDLを結合し,細胞内に取り込む1回膜貫通型の細胞表面受容体である。LDL粒子表面には1分子のアポリポタンパク質B100が存在し,これをリガンドとしてLDL受容体は認識する。肝臓から分泌されたVLDLは血管内皮細胞表面に局在するリポプロテインリパーゼの作用により,粒子内のトリグリセリドが分解を受け,粒子サイズを小さくしながらIDL(intermediate-density lipoprotein),LDLへと代謝されていく。この過程でIDL粒子上に存在するアポリポタンパク質EもLDL受容体により認識され,IDLは細胞内へと取り込まれる。
LDL受容体は血中LDLのクリアランスに重要な位置を占め,本受容体の変異は家族性高コレステロール血症の原因となることは周知の事実である。また,脂質異常症の治療薬スタチンはコレステロール合成の律速酵素HMG CoA還元酵素阻害剤であるが,肝臓において細胞内コレステロールの減少によりLDL受容体発現が上昇することにより,血中LDLのクリアランスを亢進させている。したがって,LDL受容体発現を高いレベルに保つことは脂質代謝改善にとって望むべき方向であり,その制御機構についての知見について概説する。
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