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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻5号

2013年10月発行

文献概要

増大特集 細胞表面受容体

TLR4の遺伝子多型と眼科疾患

著者: 布施昇男1

所属機関: 1東北大学東北メディカル・メガバンク機構 ゲノム解析部門

ページ範囲:P.512 - P.513

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●Toll-like receptor 4(TLR4)

 Toll-like receptor(TLR)は動物の細胞表面にある受容体タンパク質で,種々の病原体を感知して自然免疫を作動させる機能を持つ。自然免疫は様々な病原体に対して抗微生物ペプチドを産生し,初期の生体防御の働きを担うと共に,獲得免疫を賦活し,免疫機構において重要な役割を果たしている1)。TLRファミリーは外因性リガンドを認識し自己,非自己を区別するパターン認識受容体(pattern recognition receptor;PRR)と呼ばれる。PRRは病原の表面に存在するpathogen-associated molecular patterns(PAMPs)を認識する。ヒトでは10種類がデータベース上で報告されており,それぞれのリガンドも大部分は同定されている。なかでもTLR4は,外因性・内因性のリガンドに対して免疫応答を担うタイプⅠ膜貫通型受容体で,細菌のリポ多糖類(lipopolysaccharides;LPS)を認識する受容体であるが,感染とは無関係に障害を受けた細胞から放出されるHMGB1(high-mobility group box 1)やHSP(heat shock protein)などの蛋白質,フィブロネクチンやヒアルロン酸などの細胞外基質の分解物,サーファクタント蛋白質Aなど内因性のリガンドによっても活性化される2)。TLR4は細胞外leucine-rich repeats(LRR)ドメイン,膜貫通ドメイン,細胞内Toll/interleukin-1 receptor(TIR)ドメインの構造からなる。リガンドが結合してからTLR4受容体の下流の複雑なカスケードが作用する。

参考文献

109:125-133, 2005
279:7370-7377, 2004
61:177-188, 2012
51:5697-5707, 2010
154:825-832, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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