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文献概要
特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き
超解像顕微鏡
著者: 藤田克昌1
所属機関: 1大阪大学大学院工学研究科 精密科学 応用物理学専攻
ページ範囲:P.526 - P.532
文献購入ページに移動光学顕微鏡の空間分解能について理論的に説明したのはドイツのアッベ(Ernst Abbe, 1940-1905)である。1873年ごろ,彼は光学顕微鏡では光の波長の半分より小さな構造は解像できないことを導いた。その約100年後,共焦点顕微鏡,2光子励起顕微鏡が登場し,若干の空間分解の向上はもたらされたが,光の波動性がもたらす限界を大きくは超えられなかった。その後も光の限界を超えた解像力をもたらす顕微鏡,すなわち超解像顕微鏡の実現に向けて多くの研究者が努力を重ね続け,2006年ごろから多くの超解像技術が目覚ましく発展した1)。それらは光学的に空間分解の理論限界を破ったわけではなく,蛍光分子の発光特性をうまく利用して,その限界以上の空間分解を得ることに成功した。そのため超解像顕微鏡は蛍光顕微鏡をベースにしたものがほとんどである。
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