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文献詳細

雑誌文献

生体の科学64巻6号

2013年12月発行

文献概要

特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き

顕微鏡観察における組織透明化技術

著者: 濱裕1 宮脇敦史1

所属機関: 1理化学研究所 脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術開発チーム

ページ範囲:P.595 - P.601

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 可視領域の光が生体試料を通過することは難しい。生体組織を観察する際に障壁となる物理的要因は光の散乱と吸収である。特に観察を制限する要素として大きな原因は散乱である。散乱によって光の進行方向が変わってしまい,光が真っすぐに進むことが妨げられる。これによって光学顕微鏡観察が制限される。組織中の光の散乱の原因となる要素を十分に除くことで生体組織は透明化し,光が直進することで組織内部の観察が可能になる。

 本稿では近年行われている生物の固定組織の透明化技術について,われわれが開発したScale法を中心に述べる。なお,ここで述べる透明化技術とは生きている体,組織をそのまま透明にする技術ではない。あくまでも固定化した組織を対象とした技術である。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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