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文献概要
特集 顕微鏡で物を見ることの新しい動き
NV中心磁気顕微鏡
著者: 荒井慧悟1
所属機関: 1マサチューセッツ工科大学 物理学科
ページ範囲:P.608 - P.613
文献購入ページに移動この問題に取り組む第一歩として,細胞が作る磁場の画像化を可能にするナノスケール磁気顕微鏡の技術が注目を浴びている。既存の核磁気共鳴画像法(MRI)では,光学顕微鏡と比較して低い空間分解能しか得られないため,細胞レベルでの磁場の可視化は困難であった。2013年,筆者らはダイヤモンド中の窒素・空孔欠陥を磁気センサーとして用いた顕微鏡(以下,NV;nitrogen-vacancy,中心磁気顕微鏡)を開発し,生きた細胞が作る磁場の撮影に成功した2)。本稿では初めに高等生物から細菌に至るまでの,磁気を感知できる生物を紹介する。その中でも特に磁性細菌の特徴に焦点を当てて,その応用の可能性を探る。次にNV中心磁気顕微鏡の仕組みを他の磁場測定技術と対比させて解説する。さらに最新の研究成果と共に未来への展望を議論する。
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