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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻1号

2014年02月発行

文献概要

特集 精神疾患の病理機構

ミクログリアと精神疾患

著者: 加藤隆弘1 神庭重信12

所属機関: 1九州大学大学院 医学研究院 精神病態医学分野 2九州大学 先端融合医療レドックスナビ研究拠点

ページ範囲:P.37 - P.42

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 1950年代にハロペリドール・クロルプロマジンに抗精神病作用が発見され,これらの薬剤が神経ドーパミンD2受容体拮抗作用を有するというエビデンスから,神経伝達の異常こそが精神疾患における病態基盤であるという説がドグマとなり,本仮説に基づく生物学的精神医学研究が進められてきたが,いまだ,その病理機構は十分には解明されていない。脳内には神経伝達の主役ニューロン(神経細胞)以外にも,アストロサイト・オリゴデンドロサイト・ミクログリアといったグリア細胞が生息しており,実際にはニューロンよりもグリアのほうが圧倒的に多く存在している。従来,脇役とみなされていたグリア細胞が精神疾患の病態に関与するという可能性が近年注目されており,筆者らはミクログリアに着目した精神薬理学的研究を進めてきた。興味深いことに,ミクログリア活性化抑制作用を有する抗生物質ミノサイクリンによる向精神作用が国内外で報告されており,ミクログリアが精神疾患研究の新たなターゲットになりつつある。本稿では精神疾患におけるミクログリア仮説を国内外の最新の研究知見と共に紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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