icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻2号

2014年04月発行

文献概要

特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス C.シングルセルアナリシスで見えること

母体血中胎児有核赤血球を用いたシングルセルアナリシス

著者: 高林晴夫12 北美紀子12 関沢明彦23 北川道弘24

所属機関: 1センター 2 3昭和大学医学部産婦人科学教室 4山王病院

ページ範囲:P.159 - P.163

文献購入ページに移動
 胎児DNA診断法として従来から羊水穿刺,絨毛採取および臍帯穿刺が広く行われているが,これらの方法は,ときとして母体,胎児への危険を伴うことがあり,染色体異常や遺伝子異常などの発症リスクの高い症例の出生前診断に適用されているのが現状である。そこで無侵襲的な手法として母体血中に存在する胎児由来細胞を使った胎児DNA診断法が研究・開発されるようになった。母体血中に胎児由来細胞が出現するのは妊娠6週ごろからであると報告されている1)。出現する胎児細胞の中でも最も有用とされているのが有核赤血球である(図1)。有核赤血球は比較的半減期が短く,核があるので胎児のDNAも保存されていると考えられ,形態的にも識別が可能である。一方,母体血漿中に胎児由来のcell-free DNAが比較的高濃度で認められることも知られるようになり,このcell-free DNAによる出生前診断も新しい無侵襲的な方法として注目されている2)。ここでは有核赤血球を用いたシングルセルアナリシスおよびcell-free DNAを使ったDNA分析の現状と近未来について紹介する。

参考文献

15:74-77, 1995
62:768-775, 1998
91:427-432, 1993
22:17-21, 2002
89:5847-5851, 1992
53:323-327, 2005
102:611-615, 1998
98:158-161, 1996
46:1350-1353, 1996
99:5261-5266, 2002
338:1622-1626, 2012
45:1747-1751, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら