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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻3号

2014年06月発行

文献概要

特集 器官の発生と再生の基礎

脳形成を下支えする神経前駆細胞の核移動

著者: 宮田卓樹1 岡本麻友美1

所属機関: 1名古屋大学大学院 医学系研究科 細胞生物学

ページ範囲:P.203 - P.207

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 脳の形成は他の器官形成におけると同様の二つの重要なステップ,すなわち,① 細胞の種類・数の確保と,② 組織構築(組み立て)の進行,によって果たされる1)。具体的には,① 細胞の誕生(神経幹細胞・前駆細胞による細胞産生)と個性化(ニューロンかグリアか,それぞれの群の中でどんなサブタイプかなど),および,② 広義の回路形成(ニューロンの移動・配置,線維連絡・シナプス形成,ニューロン・グリア連関の成立など)という現象群が適切に営まれる必要がある。近年,散発的に蛍光標識を施してスライス培養するなど,神経前駆細胞の挙動に向き合う研究手法が“ライブで三次元”へと発展してきたことに伴って,彼らの多才ぶりが詳しく捉えられるようになった2-4)。本稿では神経前駆細胞が行う核の反復運動5-10)に注目し,その意義,機構の一端を概説する。

参考文献

1)宮田卓樹,山本亘彦(編):脳の発生学.化学同人,2013
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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