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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻3号

2014年06月発行

文献概要

特集 器官の発生と再生の基礎

大脳新皮質におけるニューロンの数と種類の制御

著者: 遠藤垂穂1 後藤由季子1

所属機関: 1東京大学大学院 薬学系研究科 分子生物学

ページ範囲:P.208 - P.214

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 脳の組織を観察すると,いつもその非常に複雑で精緻な構造に魅入られてしまう。脳には非常に多くの種類のニューロンがあるが,決してランダムに作られて配置されているわけではない。どの個体でも発生期には“種ごとに再現性良く(!)”それぞれの種類のニューロンが正しい数作られ,正しい場所に配置され,そして正しい相手と回路を形成して機能的なネットワークを作る。その結果,脳の高次な機能が達成される。ではどのようにして,特定の種類のニューロン(回路素子)が必要な場所に必要な数作られるのだろうか? そもそも脳の大きさや構造はいかにして決まるのだろうか?

 脳を構成するニューロンと,それを様々な形で支えるグリア細胞は,共通の前駆細胞である“神経系前駆細胞(神経幹細胞)”(neural progenitor/precursor cell;NPC)から産み出される。したがって,NPCの運命制御はこれらの神経回路素子の形成や脳構築を理解する鍵となる。本稿では大脳新皮質発生におけるNPCの(Ⅰ)数の制御と(Ⅱ)分化運命の制御について,最近数年の文献を中心に概説したい。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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