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特集 器官の発生と再生の基礎
成体ニューロン新生における血管の役割
著者: 澤本和延1 松本真実1 澤田雅人1
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科 再生医学分野
ページ範囲:P.215 - P.219
文献購入ページに移動Palmerらの研究によって,神経幹細胞や前駆細胞が血管に接して存在していることが明らかになって以来3),成体ニューロン新生の調節に血管がかかわっている可能性が示唆されている。一方で脳が傷害を受けると,ニューロン新生と血管新生が促進され,脳組織の再生に寄与すると考えられており,再生過程にみられるニューロン新生と血管新生の協調的な関係は,胎生期に起こる神経-血管形成の相互依存性の再現のようにも思われる。すなわち,胎生期と同様に,成体脳のニューロン新生においても血管が重要な働きをしている可能性がある。
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