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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻3号

2014年06月発行

連載講座 細胞増殖・8

サイクリン依存性キナーゼ5の活性制御機構と神経細胞死における役割

著者: 斎藤太郎1 久永眞市1

所属機関: 1首都大学東京 理工学研究科 生命科学専攻

ページ範囲:P.266 - P.270

文献概要

 サイクリン依存性キナーゼ(cyclin-dependent kinase;Cdk)は真核生物の細胞周期のエンジンとして働くプロテインキナーゼである。増殖細胞ではDNA損傷やDNA複製,染色体分配などの異常によりゲノムが維持できなくなると,エンジンであるCdkは活性化されず細胞周期の進行が停止し細胞死が誘導される。一方,分化して増殖しない神経細胞では増殖にかかわるCdkの発現はなくなり,細胞周期は停止するが,Cdkファミリーの一つCdk5が発現し,多様な神経機能の制御にかかわるようになる。様々なストレスはCdk5を異常活性化し,神経細胞死を誘導する。このような神経細胞死の過程ではCdkを含む細胞周期装置が再活性化し,あたかも細胞周期へのリエントリーとも言える現象を介して細胞死が進行する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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