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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻4号

2014年08月発行

文献概要

特集 古典的代謝経路の新しい側面

Lands回路と肺サーファクタント脂質代謝

著者: 原山武士1 清水孝雄12

所属機関: 1国立国際医療研究センター研究所 脂質シグナリングプロジェクト 2東京大学大学院医学系研究科 リピドミクス社会連携講座

ページ範囲:P.321 - P.325

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 生体膜や肺サーファクタントの主成分であるグリセロリン脂質のアシル基組成は組織や細胞種,正常時や病態時で異なり,その様々な機能に影響すると考えられている。リン脂質のアシル基多様性の形成に重要な働きを持つリゾリン脂質アシル基転移酵素群(lysophospholipid acyltransferases;LPLATs)をコードする遺伝子の多くが近年同定された。これにより,リン脂質への多価不飽和脂肪酸の蓄積や肺サーファクタント脂質の合成に関与すると考えられていたLands回路の分子レベルでの理解が大きく進み,この回路の意義も見直されるきっかけとなった1)。Lands回路の理解が今後,様々な病態時にみられるアシル基組成の異常と疾患の関連を説明できるようになると期待される。本稿ではLPLATの分子同定によってLands回路の理解がどのように進んだか,この回路が肺サーファクタント脂質の代謝と機能にどうかかわるのか,という2点について,ホスファチジルコリン代謝に焦点を当てながら解説させていただく。生体膜には多様なリン脂質とそれらを代謝する多くのLPLATが存在し,興味を持った読者は他の優れた総説も参考にして欲しい2-4)

参考文献

(in press)
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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