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雑誌文献

生体の科学65巻4号

2014年08月発行

文献概要

解説

亜鉛トランスポーターの特徴と生理機能―ZIP,ZnTトランスポーターと細胞機能・疾患との関連性

著者: 辻徳治1 神戸大朋1

所属機関: 1京都大学大学院 生命科学研究科 統合生命科学専攻 生体情報応答学

ページ範囲:P.370 - P.378

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 亜鉛は生体にとって必須の微量金属元素である。亜鉛は多数のタンパク質の構造・機能維持や酵素の活性・調整因子として重要な役割を果たしている1,2)。さらに,細胞内外の遊離亜鉛イオンがシグナル因子としても重要な機能を持つことが明らかにされていることからも,亜鉛の生理機能が非常に多岐にわたり,亜鉛が生命活動に必須の因子であることは明らかである3,4)。そのため,生体には亜鉛ホメオスタシスを厳密に制御する機構が備わっており,金属貯蔵タンパク質であるメタロチオネインをはじめ,膜輸送を介して細胞質の亜鉛レベルを制御する亜鉛トランスポーターは,その制御にかかわる重要な因子である。

 近年,亜鉛トランスポーターの発現変化や機能破綻が,生活習慣病をはじめとした多くの疾患に密接に関連するとの報告が数多くなされており4,5),亜鉛の多様な生理機能と疾患との関連性を論じるうえで,亜鉛トランスポーターの生理機能を理解することは必要不可欠な要素となっている。本稿では亜鉛トランスポーターの特徴・機能を生理学的な面から概説し,その重要性を紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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