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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻5号

2014年10月発行

文献概要

増大特集 生命動態システム科学 Ⅰ.定量生物学 1.分子・細胞の計測 1)基本技術

(1)情報と生命現象

著者: 小林徹也1 横田亮1

所属機関: 1東京大学生産技術研究所

ページ範囲:P.386 - P.387

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■情報の概念と生命現象

 “情報”は様々な生命現象に関連して現れる普遍的な概念である1)。例えば遺伝は世代間での情報の継承であり,十分な情報の伝達は自己複製過程が成立する基本要件であると考えられる。子が親に似るという生物学的に当たり前な現象の観察から始まり,メンデルの遺伝法則の発見,遺伝情報の物理的担い手としてのDNAの同定,そして遺伝情報を表現する暗号やタンパク質へと変換するセントラルドグマの解明に至る分子生物学の黎明期を顧みても,“情報”という見方は生命の本質を探求する過程で不可欠な概念的基盤であった。本稿では,生命科学における“情報”という概念とそれを支える理論的基礎を概説し,その生命動態理解における役割を展望する。

参考文献

1)Yockey H:Information Theory, Evolution, and The Origin of Life. Cambridge University Press, New York, 2005
. 341:558-561, 2013
3)Bialek W:Biophysics;Searching for Principles(1st ed). Princeton University Press, Princeton and Oxford, 2012
. 104:228104, 2010
5)小林徹也:実験医学.31:1202-1208,2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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