文献詳細
増大特集 生命動態システム科学
Ⅰ.定量生物学 2.組織・個体の計測 2)発生
文献概要
■モルフォゲン濃度勾配と反応拡散
形態形成において二つの重要なモデルが知られている。一つはモルフォゲン勾配モデル,もう一つは反応拡散モデルである。前者は形態形成に重要な拡散因子が場のある一点から拡散して濃度勾配を形成し,その濃度に依存して位置情報が与えられる。その結果,それぞれの位置で遺伝子発現などの調節が起こりパターンを作り出すというものである(図A)。一方,後者は二つの拡散因子が互いに反応し合いながら拡散する。この反応には抑制作用と活性化作用が含まれ,それぞれの拡散速度に依存してパターンが作られる(図B)。モルフォゲン原理が単純な周期的パターンを作るのに対し,反応拡散ではバラエティーのあるパターンの形成が可能であり,生命現象の至るところで見られる1)。
形態形成において二つの重要なモデルが知られている。一つはモルフォゲン勾配モデル,もう一つは反応拡散モデルである。前者は形態形成に重要な拡散因子が場のある一点から拡散して濃度勾配を形成し,その濃度に依存して位置情報が与えられる。その結果,それぞれの位置で遺伝子発現などの調節が起こりパターンを作り出すというものである(図A)。一方,後者は二つの拡散因子が互いに反応し合いながら拡散する。この反応には抑制作用と活性化作用が含まれ,それぞれの拡散速度に依存してパターンが作られる(図B)。モルフォゲン原理が単純な周期的パターンを作るのに対し,反応拡散ではバラエティーのあるパターンの形成が可能であり,生命現象の至るところで見られる1)。
参考文献
. 376:765-768, 1995
. 104:4790-4793, 2007
. 106:8429-8434, 2009
. 337:677, 2012
. 141:318-324, 2014
掲載誌情報