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増大特集 生命動態システム科学 Ⅱ.数理生物学 6.組織・多細胞社会
(3)細胞レベルと集団レベルの振動性
著者: 澤井哲1
所属機関: 1東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系
ページ範囲:P.474 - P.475
文献購入ページに移動■階層をまたいで出現する秩序
心臓や脳といった人間の根幹にかかわるどの器官をとってみても,それらをバラバラにしてしまっては,組織や器官レベルの機能性の多くは失われてしまう。細胞のように自律的な要素が組み合わさった結果,全体レベルの新しい性質がいかにして発現するかは,生命に限らず,分子から社会に至るまでに共通した話題である。ことに,細胞から組織という階層間においては集団性の操作と制御は依然として経験的な知見にとどまっていることが多く,未解決の基礎的問題が潜んでいる。振動現象を例に,細胞から細胞集団の秩序がいかに出現するか,その最も基礎的な部分の理解について紹介する。
心臓や脳といった人間の根幹にかかわるどの器官をとってみても,それらをバラバラにしてしまっては,組織や器官レベルの機能性の多くは失われてしまう。細胞のように自律的な要素が組み合わさった結果,全体レベルの新しい性質がいかにして発現するかは,生命に限らず,分子から社会に至るまでに共通した話題である。ことに,細胞から組織という階層間においては集団性の操作と制御は依然として経験的な知見にとどまっていることが多く,未解決の基礎的問題が潜んでいる。振動現象を例に,細胞から細胞集団の秩序がいかに出現するか,その最も基礎的な部分の理解について紹介する。
参考文献
. 403:335-338, 2000
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. 328:1021-1025, 2010
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掲載誌情報