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増大特集 生命動態システム科学 Ⅲ.合成生物学 1.人工細胞
(7)ガラス製マイクロ流体チップ内バルブの開発
著者: 田中陽1
所属機関: 1理化学研究所 生命システム研究センター 集積バイオデバイス研究ユニット
ページ範囲:P.504 - P.505
文献購入ページに移動数cm角のガラス基板上に幅・深さ1mm以下の流路(チャネル)を加工し,化学・生化学システムを集積化したマイクロ流体チップ,マイクロ化学チップとも言う“マイクロチップ”はコンピューターの素子作製などに使われる半導体加工技術をベースとして作製した髪の毛や蚊の針の太さ(10〜100μm)と同じかそれ以下,最小ナノメートルサイズの極めて細い流路を組み込んだ基板のことであり,次世代医療診断などの小型・高速の次世代型デバイスとして期待されている。
マイクロチップの材料としてはシリコンゴムの一種であるポリジメチルシロキサン(PDMS)に代表される樹脂製マイクロチップが最も一般的に使われている。これは,加工が容易でかつ材料が安価であり,また,柔軟な特徴を活かし,バルブの組み込みが容易であるが1),有機溶媒や気体の操作・分析・検出あるいは高度な表面化学処理を活かした細胞のパターニングなどには物理的・化学的安定性の面から不向きであった。
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