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増大特集 生命動態システム科学 Ⅲ.合成生物学 4.オプトジェネティクス
(3)微生物型ロドプシンキメラによるGタンパク質の光活性化
著者: 井上圭一123
所属機関: 1名古屋工業大学 未来材料創成工学専攻 2名古屋工業大学 オプトバイオテクノロジー研究センター 3JSTさきがけ
ページ範囲:P.520 - P.521
文献購入ページに移動ヒトをはじめとする高等動物の網膜中には,ロドプシンと呼ばれる7回膜貫通型構造を持つ光受容膜タンパク質が存在する1)。このロドプシンはビタミンAの誘導体である11-
ロドプシンはGタンパク質共役型受容体(GPCR)と呼ばれる細胞外からの化学的な刺激物質を受容する膜タンパク質のファミリーに属する。多くのGPCRはホルモンやペプチド,味や匂いなどの元になる物質をリガンドとして結合し,それに応答して細胞膜中にあるGタンパク質を活性化する。Gタンパク質にはGt以外にも,Gs,Gi,Gq,Go,G12/13など様々な種類が存在しており,数百種類のGPCRが様々なリガンドを結合し,これらのGタンパク質を活性化することで,外界の変化に対する多様な細胞の応答が引き起こされる。一方で近年では光で細胞の生理活動を制御する光遺伝学(Optogenetics)分野の発展と共に,Gタンパク質がかかわる信号伝達カスケードを光で制御する技術の開発が求められている。このために最近ロドプシンの細胞質ループを異なるGPCRのものに組み替えたOptoXRと呼ばれる分子を用いることで,細胞内の本来ロドプシンが活性化できないタイプのGタンパク質を光活性化することが可能であることが報告された2)。しかしロドプシンは一度光を照射すると,レチナールがタンパク質から解離してしまうため,繰り返し光活性化を行うことができず,また,Opto-XRを駆動するには本来細胞にはない11-
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