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文献詳細

雑誌文献

生体の科学65巻6号

2014年12月発行

文献概要

特集 エピジェネティクスの今

ヒストン制御とエピジェネティクス

著者: 羽田政司1 岡田由紀2

所属機関: 1東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻 2東京大学分子細胞生物学研究所 病態発生制御研究分野

ページ範囲:P.535 - P.540

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 ヒトのゲノムは約3億塩基対のDNAから構成されており,全長2mにも達する。この膨大なゲノムをわずか数μmの核に収納しているのがヒストンタンパク質である。DNAとヒストンから構成される構造はヌクレオソームと呼ばれ,4種類のヒストンサブユニット(H2A,H2B,H3,H4)から成るヘテロ八量体に,146塩基対のDNAが巻き付いた構造をしている(図1)。このヌクレオソームを最小単位として,更なる高次構造をとったものがクロマチンである。

 クロマチン構造はゲノム収納のためだけでなく,遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが近年わかってきた。このクロマチン構造を介した遺伝子発現の制御機構は“エピジェネティクス”と呼ばれ(エピは“上”“外”“追加”という意味の接頭語。ここでは遺伝学/遺伝子を取り巻くクロマチンによる制御機構と解釈される),遺伝子を“いつ”“どこで”“どの程度”発現させるかを規定している。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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