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特集 エピジェネティクスの今
ヒストン脱アセチル化酵素の活性を検出する化学プローブの開発
著者: 堀雄一郎123 菊地和也24
所属機関: 1大阪大学大学院工学研究科 生命先端工学専攻 物質生命工学コース 2大阪大学免疫学フロンティア研究センター 3JSTさきがけ 4大阪大学大学院工学研究科
ページ範囲:P.559 - P.564
文献購入ページに移動これまでに,放射線同位体や抗体などを用いた古典的方法が用いられてきたが,これらの手法は制限区域の中での実験や多段階のプロセスを必要としており,簡便さや実用上の問題があった。近年ではペプチドプローブが市販されているが,この手法では検出にプロテアーゼが必要であることが問題であった5)。このため,単純に酵素と混ぜるだけの一段階の操作で簡便に検出できる蛍光プローブの開発が期待されていた。しかしながら,HDAC活性が1969年に発見されて以来,アセチルリジンの脱アセチル化という小さな化学変化を捉えてプローブの蛍光強度が変化するような検出原理は考案されていなかった。本研究ではリジンの酵素反応による化学的変化を精査し,新しい検出原理を考案することで,HDACプローブの開発を遂に達成した。本稿ではプローブ開発の設計戦略の詳細とその評価について記す。
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