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仮説と戦略
ECM糖鎖の動的調節機構と臓器機能の危機管理能力
著者: 五十嵐道弘1
所属機関: 1新潟大学医歯学系 分子細胞機能学(医学部 生化学第二)
ページ範囲:P.606 - P.612
文献購入ページに移動 細胞内でのシグナル伝達事象は,どの細胞での今日では非常に詳細に調べられていて,研究者の関心も極めて高い。一方で,細胞は単独で存在しているわけではなく,固形臓器には多数の細胞が配置され,その間には細胞外基質(extracellular matrix;ECM)という構造が存在している。ECMは極めて広大なスペースと大量の物質を有しているが,古典的には細胞同士を乖離しないように接着している構造,という非常に静的な概念で理解されてきた。ECMに存在する物質群は,そもそも細胞外に放出されているため,代謝のターンオーバー速度も非常に細胞内の物質群に比較して緩徐であるため,そのイメージが定着することとなった。この“inert”なイメージは,結合組織的な臓器ではもちろんその点が強いであろうが,細胞間のコミュニケーションの物質群(液性因子=成長因子,サイトカイン,ケモカインなど)が非常に重要視される今日の医学・生物学的研究において,後述するようにECMを無視するとストーリーが語れなくなってきている。
なお以下,本稿をより深く理解していただくために,ECM糖鎖のベーシックをⅠおよびⅡに記載したが,糖鎖に詳しい方はスキップして,Ⅲから読んでいただきたい。
なお以下,本稿をより深く理解していただくために,ECM糖鎖のベーシックをⅠおよびⅡに記載したが,糖鎖に詳しい方はスキップして,Ⅲから読んでいただきたい。
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