文献詳細
文献概要
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
特集「脳と心の謎はどこまで解けたか」によせて
著者: 岡本仁1
所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター
ページ範囲:P.2 - P.2
文献購入ページに移動 本誌では1995年新年1号に「神経科学の謎」という特集号を発行いたしました。それから20年経った今日までに,脳科学は目を見張る進歩を遂げ,かつては心理学や哲学の対象でしかなかった,様々な心の営みの脳科学的な基盤を明らかにすることができるようになってきました。
このような進歩は,様々な技術的発展に支えられています。人間の脳活動は,fMRIやPETといった技術の誕生によって精密に計測できるようになりました。一方,実験動物の脳を対象として,多重電極や多光子励起顕微鏡などによって,様々な条件のもとで行動する実験動物から,多数の神経細胞の活動を同時計測する技術が生まれました。更には近年,光遺伝学や様々なウイルスベクターといった技術が誕生し,動物の脳の,特定の神経回路の活性だけを自由に制御できるようになり,脳科学においても他の科学と同じく,実験対象に人為的擾乱を与えることによって精密に因果律を検証できる時代になりました。また,CRISPRなどの技術の誕生によって,基本的な技術基盤である遺伝子操作の対象となる動物の種類の幅が一挙に広がりました。
このような進歩は,様々な技術的発展に支えられています。人間の脳活動は,fMRIやPETといった技術の誕生によって精密に計測できるようになりました。一方,実験動物の脳を対象として,多重電極や多光子励起顕微鏡などによって,様々な条件のもとで行動する実験動物から,多数の神経細胞の活動を同時計測する技術が生まれました。更には近年,光遺伝学や様々なウイルスベクターといった技術が誕生し,動物の脳の,特定の神経回路の活性だけを自由に制御できるようになり,脳科学においても他の科学と同じく,実験対象に人為的擾乱を与えることによって精密に因果律を検証できる時代になりました。また,CRISPRなどの技術の誕生によって,基本的な技術基盤である遺伝子操作の対象となる動物の種類の幅が一挙に広がりました。
掲載誌情報