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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻1号

2015年02月発行

文献概要

特集 脳と心の謎はどこまで解けたか

エキスパートにおける直観

著者: 田中啓治1

所属機関: 1理化学研究所脳科学総合研究センター認知機能表現研究チーム

ページ範囲:P.7 - P.13

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 世の中にはいろいろな分野にエキスパート(熟達者)と呼ばれる人たちがいて,通常の人の能力をはるかに超える優れた問題解決能力を示す。そしてエキスパートの優れた能力の重要な部分に直観的に問題を解決する能力がある。直観は正確に定義された心理学用語ではない。通常の人にはかなり難しい問題に対する回答をほとんど無意識に短時間で得ることを一般に直観と呼んでいる。インスピレーションと直観は違う。インスピレーションは滅多に起こらないが,エキスパートの直観はいつも起こる。本稿ではチェスや将棋などのボードゲームにおける直観を直接の対象とするが,医学臨床における診断,幾何学などの数学の問題解決,複雑なコンピューターシステムの故障診断,会計監査における問題点の指摘など直観が働く認知分野は多様である。エキスパートの能力は分野特異的であり,エキスパートになるには真剣な訓練を毎日3-4時間10年以上続ける必要があると言われている。

参考文献

1)de Groot AD:Het denken van den schaker. Nooord-Hollandsche Uitgevers Maatschappij, Amsterdam, 1946
. 4:55-81, 1973
. 63:81-97, 1956
. 331:341-346, 2011
. 32:17492-17501, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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