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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻1号

2015年02月発行

文献概要

特集 脳と心の謎はどこまで解けたか

恐怖と不安─脅威に対する動物の適応行動選択とその克服

著者: 相澤秀紀1 崔万鵬1 田中光一12

所属機関: 1東京医科歯科大学難治疾患研究所分子神経科学分野 2東京医科歯科大学脳統合機能研究センター

ページ範囲:P.29 - P.32

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 動物が外界の環境に適応し生き残るためには,不快な経験を記憶し予期することを可能にする神経機構が不可欠と考えられる。恐怖や不安は,危険,脅威および葛藤などにより惹起される情動であり,回避や無動などの適応行動を引き起こす。これらの情動は過去の経験を基に行われる価値判断という側面を持ち,最適な行動選択を行ううえで有用なだけでなく,あらゆる動物の生存に必須のものと考えられる。
 恐怖と不安は共に不快であるものの,異なった要因が引き金となる情動として理解されている。恐怖は差し迫った脅威や特定の危険事象に対して起こる情動であり,切迫の度合いや回避の可能性に応じて逃避や無動などの行動を選択する。一方,不安は不特定の潜在的な脅威や危険性に対して引き起こされる情動で,大胆な行動を控えたり危険に備えて警戒態勢の強化を引き起こす1)

参考文献

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.(in press)
. 7:826, 2013
. 66:949-962, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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