文献詳細
特集 脳と心の謎はどこまで解けたか
絆,そして浮気の行動神経内分泌学─哺乳動物のペア形成と下垂体後葉ホルモン系
著者: 西森克彦1
所属機関: 1東北大学農学研究科応用生命科学専攻分子細胞科学講座分子生物学研究室
ページ範囲:P.66 - P.71
文献概要
一方,母子間のinfant-mother(parents) relationにおけるbonding behaviorは,親から子への養育行動であるparental behaviorあるいはmaternal behaviorと,子から親に対するbonding behaviorに分けて考えることができる。親の子に対する養育行動,なかでも一般的なmaternal behaviorは解析研究のよく進んだ領域である一方,父親による子育て行動,paternal behaviorについては,特に哺乳動物綱において父親が“pair形成と継続的な家族の維持”にかかわる動物種が例外的であることからも,詳細な神経科学的解析はmaternal behavior解析研究に比べて少ない。しかし,マウスにおける父親の子育て行動の誘導に母親からの超音波シグナルが必要であることを示した興味深い報告などもある1)。
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