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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻1号

2015年02月発行

文献概要

特集 脳と心の謎はどこまで解けたか

社会的階層と集団サイズ

著者: 則武厚1 磯田昌岐1

所属機関: 1関西医科大学医学部生理学第二講座

ページ範囲:P.72 - P.75

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 社会的階層は,多くの動物種において認められる。特に霊長類(ヒトやサル)では,他の哺乳類と比べ集団サイズが大きく,複雑な社会的階層構造が存在する。また,霊長類の大脳新皮質の体積も,他の哺乳類と比べ増加しており1),“より複雑な社会的要求に対処するために脳は増大していった”という社会脳仮説2)など,興味深い説が提唱されている。しかし,社会的階層と関連する情報処理が,具体的に脳のどこでどのように行われているかを明らかにした研究は現在も少ない3)。本稿では,霊長類の中でも比較的研究が進んでいるマカクザルにおける社会的階層と集団サイズの神経機構に関する最近の知見を紹介し,今後の研究の方向性を述べてみたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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