文献詳細
文献概要
特集 使える最新ケミカルバイオロジー D.トピックス:細胞内温度計
蛍光性ポリマー温度センサー
著者: 岡部弘基12
所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科生体分析化学教室 2独立行政法人科学技術振興機構さきがけ
ページ範囲:P.163 - P.168
文献購入ページに移動細胞内の微小空間内の分子に最も強い影響を与える環境因子は温度である。温度はあらゆる化学反応を支配する物理量であり,生体分子の動態や活性に与える影響の大きさは言うまでもない。また,温度と生物のかかわりは生物学の古典的テーマである1)。しかし,細胞内の局所空間における温度や,それと細胞機能の関連についてはこれまで一切不明であった。この原因は,細胞内部の温度計測技術がなかったためである。従来の温度測定法であるサーモグラフィや熱電対では細胞内部での測定に不向きであるうえに,極微小空間である細胞内では機能できない。
参考文献
掲載誌情報