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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻3号

2015年06月発行

文献概要

特集 進化と発生からみた生命科学

進化発生学で探る哺乳類中耳の形態進化

著者: 武智正樹1 北沢太郎2 栗原裕基2 倉谷滋3

所属機関: 1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子発生学分野 2東京大学大学院医学系研究科生化学・分子生物学講座 3理化学研究所倉谷形態進化研究室

ページ範囲:P.234 - P.239

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 哺乳類は地球上の多様な環境へ適応放散した動物群の一つであるが,この成功の一因には頭蓋顎顔面領域の形態進化がある。哺乳類の頭蓋顎顔面領域は,鼻腔と口腔を仕切る二次口蓋,一枚骨から成る下顎,三つの耳小骨を有する中耳など,他の動物群にはみられない独自の形態と機能を獲得しており,これらが咀嚼力の向上,効率的なエネルギー代謝,内温性の獲得といった多様な棲息環境への適応能力と密接にかかわっている。哺乳類の獲得形質がいかに進化してきたのかについてはまだ謎の部分が多いが,これまでの比較解剖学,比較形態学,古生物学などの知見に加えて,現生動物同士の分子発生学的な比較解析,いわゆるEvo-devo領域での研究が進みつつある。ここでは一例として中耳の形態進化を取り上げたい。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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