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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻3号

2015年06月発行

文献概要

特集 進化と発生からみた生命科学

アゲハの擬態紋様

著者: 藤原晴彦1

所属機関: 1東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻

ページ範囲:P.267 - P.271

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 われわれの身の周りには多様な昆虫が生息しているが,傍らの虫に気づかないことも多い。昆虫は周りの植物に身を隠し目立たないようにする一方,毒々しい紋様や体色により捕食者に警告するような虫もいる。何かに似せて捕食者をだますような生存戦略は,総称して“擬態”と呼ばれる。本稿では,われわれの身近にいるアゲハ蝶の多様な擬態紋様の形成メカニズムを紹介すると共に,進化研究において蝶の紋様がクローズアップされつつある現状にも触れる。
 アゲハ蝶の仲間(アゲハチョウ上科)は世界に500種類ほどいるが,その中でもアゲハチョウ科(Papilionidae)に属するナミアゲハ(Papilio xuthus)やキアゲハ(Papilio machaon)は日本人にも馴染み深い。われわれがこれらの蝶を研究している主な理由は,近縁種の間で多様な紋様変異がみられ,更に幼虫,蛹,成虫の各発生ステージでユニークな擬態を呈するからである。それぞれの擬態紋様と形成機構をみてみたい。

参考文献

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15)Fisher RA:The Genetic Theory of Natural Scelction. Clarendon Press, Oxford, 1930

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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