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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻4号

2015年08月発行

文献概要

特集 新興・再興感染症と感染症対策 E.ベクター

迫り来る蚊媒介性感染症

著者: 江下優樹12 林田京子4 飛彈野真也1 神山長慶1 小林隆志1

所属機関: 1大分大学医学部感染予防医学講座 2マヒドン大学熱帯医学部 3東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻生命システム観測分野 4大分大学医学部全学研究推進機構動物実験部門

ページ範囲:P.352 - P.355

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 デング熱,チクングニア熱,日本脳炎などは,蚊が媒介するウイルス性疾患である。病原体は,節足動物媒介性ウイルス(arthropod-borne virus;別名arbovirus)と総称される。わが国における日本脳炎患者数は激減しているが,媒介蚊とウイルスは国内には依然として存在している。感染拡大の条件が整えば再流行する可能性は今でもある。例えば,2014年8月に国内で勃発したデング熱患者の発生が挙げられる。
 わが国のような温帯地域での疾患の流行要因として,交通網の発達に伴って,ヒトや動物の移動が加速度的に早くなってきたことが一因として挙げられる。また,自然環境の異変によって,熱帯地の乾期と雨期の区別がつかなくなり,媒介蚊の生息域拡大につながっている。更に,ウイルスの変異により媒介蚊の病原体感受性が高くなり,温帯地域にも拡大して,患者数と流行国が増加している1)

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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