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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻5号

2015年10月発行

増大特集 細胞シグナル操作法

Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 1.セカンドメッセンジャー

カルシウムシグナル

著者: 安藤恵子12 中井淳一12

所属機関: 1埼玉大学大学院理工学研究科 2埼玉大学脳末梢科学研究センター

ページ範囲:P.388 - P.389

文献概要

 細胞内カルシウムイオンはセカンドメッセンジャーとして機能し,筋肉の収縮,分泌,神経活動制御,細胞移動,細胞分裂・増殖,受精など,ほぼすべての細胞活動に関与している。したがって,細胞内カルシウムイオン濃度を制御することは非常に大切である。
 一般的に細胞の静止時(刺激を受けていないとき)の細胞内カルシウムイオン濃度は数十nM程度であるが,刺激を受けると数百nMから数十μMまで増加する。また,細胞全体に及ぶカルシウムイオン濃度の増減とは別に,細胞内の局所的なカルシウムイオン濃度の増減があり,ときにそれがカルシウム波として観察されることがある。
 細胞内カルシウムイオン濃度は,①細胞外からのカルシウム流入,②細胞内カルシウム貯蔵部位(ストア)からのカルシウム放出,③カルシウム結合タンパク質/分子によるカルシウムイオンの結合・放出,④カルシウムポンプやカルシウム交換体による細胞質から細胞外,および細胞内カルシウム貯蔵部位へのカルシウムのくみ出しのバランスによって決まる。したがって,この四つに働きかけることにより,細胞内カルシウムシグナルを操作することが可能になる。

参考文献

. 19:137-141, 2001
. 458:1025-1029, 2009
. 9:1197-1203, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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