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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 2.Gタンパク質
Rhoファミリー
著者: 相川あかね1 清川悦子1
所属機関: 1金沢医科大学医学部病理学Ⅰ
ページ範囲:P.404 - P.405
文献購入ページに移動RhoファミリーはRasと同様にGTPかGDPに会合しており,GTPに会合しているときのみ下流分子を活性化することができる分子スイッチである。自身が持つGTPの水解反応,それを活性化する因子(GAP)が負の制御因子として,GDPやGTPの解離を促進するグアニンヌクレオチド交換因子が正の制御因子としてある。Rasと異なるのは,負の制御因子としてRhoGDIという蛋白質群があることで,Rhoファミリーに結合し,その局在を細胞質にとどめることで不活性化している。
RhoA,Rac1,Cdc42の制御因子は複数あり,特性も分子によって異なる2)。活性化因子はDblファミリーとDOCKファミリーに分類されるが,共にイノシトールリン脂質によって形質膜に局在させる領域と,グアニンヌクレオチド交換を担う領域を持っている。GAPの場合も特異性は各分子で異なっているが,脂質はDAGなどの場合もあり,脂質結合領域を持たないものもある。
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