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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻5号

2015年10月発行

文献概要

増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 2.Gタンパク質

Rab/Arf

著者: 申惠媛1 中山和久1

所属機関: 1京都大学大学院薬学研究科生体情報制御学

ページ範囲:P.406 - P.407

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 RabやArf(ADPリボシル化因子)ファミリーは,Rasスーパーファミリーに属する低分子量 GTPaseである。哺乳類ではRabファミリーは60種類以上,Arfファミリーは約30種類(Arf-like;Arl,Sar1を含む)から成り,細胞内のメンブレントラフィックの調節にとって必須のタンパク質群である1,2)。Rabは主に輸送小胞の運搬や膜融合の過程に,Arfは主にコートタンパク質の集合による輸送小胞の形成過程に寄与する。RabやArfは,GDP/GTP交換因子(GEF)の作用によって不活性なGDP結合型から活性を有するGTP結合型へと変換される(図)。一方,結合しているGTPは,GTPase活性化タンパク質(GAP)によって加水分解が促進され,不活性なGDP結合型に戻って再利用される。RabやArfは,GTPが結合するとコンホメーション変化を引き起こし,特定のエフェクタータンパク質との結合が可能になる(図)。したがって,RabやArfは,GDP結合型とGTP結合型の間をサイクルすることによって,メンブレントラフィック調節の分子スイッチとして機能する。

参考文献

. 172:645-650, 2006
. 25:1473-1480, 2010
. 404:206-215, 2005
4)Ishido N, Kobayashi H, Sako Y et al:How to make FRET biosensors for Rab family GTPases. In Serra PA(ed):Biosensors-Emerging Materials and Applications, pp81-98. InTech, Rijeka, 2011
. 7:1031-1042, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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