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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 3.キナーゼ
ストレス応答性MAPキナーゼ経路
著者: 坂内千尋1 服部一輝1 一條秀憲1
所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科細胞情報学教室
ページ範囲:P.416 - P.417
文献購入ページに移動ストレス応答性MAPキナーゼ経路を構成するキナーゼについて,JNKの上流に位置するMAP2KはMKK4,MKK7であり,p38上流のMAP2KはMKK3,MKK6である。更にその上流には,MAP3KとしてMEKK1-MEKK4,MLK1-MLK3,ASK1-ASK3,TAK1など多数存在する。
これらストレス応答性MAPキナーゼの個体レベルでの機能に関しても数多く報告されている。例えば,JNKはアポトーシスを誘導することで前脳や後脳の発生に,p38は心血管の発生に必要な転写因子の活性化を介して血管新生にかかわっている。更に免疫系における機能としてToll様受容体(Toll-like receptor;TLR)を介した自然免疫応答,サイトカインの放出,T細胞の分化や成熟,活性化などにも関与している1,2)。
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