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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 4.その他
平面内細胞極性シグナル
著者: 石東博12 藤森俊彦2 上村匡1
所属機関: 1京都大学大学院生命科学研究科細胞認識学分野 2基礎生物学研究所初期発生研究部門
ページ範囲:P.446 - P.447
文献購入ページに移動“core group”と呼ばれるPCP因子(core PCP因子)は,細胞膜の特定のドメインにのみ局在する(図C,D)。7回膜貫通型カドヘリンであるFlamingoは,このような局在が報告された最初のcore PCP因子であり,翅表皮細胞の近位側と遠位側の細胞境界のみに局在する1)。core PCP因子複合体を介して隣接する細胞が極性の情報を伝え合う。このcore PCP因子の働きに加えて,組織内の特定の細胞群から分泌されるタンパク質の濃度勾配や,体軸あるいは組織・器官の軸に沿った遺伝子発現の勾配により,各細胞が極性情報を受け取る仕組みが共存するらしい。これらの仕組みが協調して,極性情報を全細胞でより正確に解読し,巧妙な器官形成を達成していると思われる。
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