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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅰ.分子からみたシグナル操作法 4.その他
サーカディアンシグナル
著者: 深田吉孝1 寺嶋秀騎1
所属機関: 1東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻
ページ範囲:P.448 - P.449
文献購入ページに移動哺乳類において,個体レベルでみられる生理現象のリズム発現には,視床下部の視交叉上核(suprachiasmatic nucleus;SCNと略)が必須の役割を果たしている。一方,個体から切り離して分散培養した細胞レベルにおいても,遺伝子の転写・翻訳リズムが継続することから,個々の細胞も自律振動する時計機能を備えていることがわかる。各組織における固有の生理的リズムの発現には,組織内の多くの細胞時計の同調が重要であり,その同調シグナリングはVIP(vasoactive intestinal peptide),グルココルチコイド,交感神経ネットワークなどが担っている。
概日時計の分子基盤は,時計遺伝子の転写・翻訳を介したフィードバックループで構成されている。哺乳類においては,bHLH-PAS型転写因子であるCLOCKとBMAL1がヘテロ二量体を形成し,DNA上の時計シスエレメントE-box(CACGTGタイプ)にリズミックに結合して多様な遺伝子の転写活性を促進する(図A)。その中には
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