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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅱ.機能からみたシグナル操作法 1.遺伝子・ゲノム
転写
著者: 木村宏1
所属機関: 1東京工業大学生命理工学研究科
ページ範囲:P.468 - P.469
文献購入ページに移動 遺伝子発現制御において,転写はその出発点として非常に重要な役割を果たしている。当然のことながら,転写が行われないとRNAは存在せず,そのコードするタンパク質も合成されない。RNAのプロセシングや分解などによる制御などにより,必ずしも転写量がそのままRNAの存在量を反映しない場合もあるが,一般に転写量とRNA存在量の相関は高い。真核細胞では,転写は四つのDNA依存性RNAポリメラーゼにより行われる。そのうちの三つ(RNAポリメラーゼⅠ,RNAポリメラーゼⅡ,RNAポリメラーゼⅢ)が細胞核ゲノムの転写を,一つ(mtRNAポリメラーゼ)がミトコンドリアゲノムの転写を担っている。RNAポリメラーゼⅠは,核小体に局在しリボゾーム遺伝子の転写を行う。RNAポリメラーゼⅡは,核質に局在しタンパク質コード遺伝子や非コードRNA,一部の低分子核内RNA(snRNA)などの転写を行う。RNAポリメラーゼⅢは,tRNA,5S rRNA,一部のsnRNAなど比較的短いRNAの転写を行う。
個々の遺伝子の転写は,制御領域への転写因子の結合や遺伝子近傍のクロマチン構造に加えて,クロマチン間相互作用や細胞核内構造体との相互作用などの高次構造によっても制御される。
個々の遺伝子の転写は,制御領域への転写因子の結合や遺伝子近傍のクロマチン構造に加えて,クロマチン間相互作用や細胞核内構造体との相互作用などの高次構造によっても制御される。
参考文献
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