文献詳細
増大特集 細胞シグナル操作法
Ⅱ.機能からみたシグナル操作法 2.タンパク質の一生
文献概要
エクソサイトーシスとは,通常,分泌小胞の膜が細胞膜に融合することにより,小胞の内容物が細胞外に放出される現象(開口放出)を指す。一方で,細胞外分泌は行わないが,小胞膜が細胞膜に融合する点は同様である非分泌型のエクソサイトーシスが多くの組織に存在し,この二つは共通の膜融合機構を持つ現象として研究されている。
最も詳細に分子機構がわかっているのはシナプス小胞のエクソサイトーシスであり,ドッキング,プライミング,膜融合の三つの過程から成る1)。ドッキングは小胞が細胞膜につなぎとめられるステップで,Munc18-1などのSM蛋白質,RIM,Munc13がここで働く。プライミングは小胞が膜融合する能力を獲得するステップで電気生理学的に確認できる。プライミング因子としてCAPSやcomplexinがある。膜と膜を融合させるのがSNARE複合体(soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor complex,小胞上のv-SNAREと細胞膜にあるt-SNAREの複合体)である。シナプス小胞のエクソサイトーシスでは,v-SNAREとしてVAMP2,t-SNAREとしてシンタキシン1とSNAP25が働く。この三分子それぞれが持つSNAREモチーフ(約60アミノ酸のコイルドコイル構造)が会合して複合体を形成する(図)。VAMP2とシンタキシン1は一つ,SNAP25は二つのSNAREモチーフを持ち,合わせて四つのSNAREモチーフが相互作用し捩れて,その力で小胞膜とターゲット膜を融合させる。In vitro 再構成系では,生理的濃度より高いSNARE複合体だけで膜融合が起こるが,in vivo ではSM蛋白質がないと膜融合は起こらない。SM蛋白質はSNARE複合体のへリックス束を会合した形で保持して触媒的にエクソサイトーシスを促進する。ほかにカルシウムセンサーであるシナプトタグミンなどのC2ドメインを持つ分子が膜融合に必要である。現在のモデルでは,Ca2+濃度上昇によりcomplexinがSNARE複合体から解離し,代わってシナプトタグミンが複合体に入ることで膜融合が起こると考えられている。
ドッキングの前のステップとして繋留を考えて,そこに焦点を当てた研究も多い。繋留の主役はエクソシスト複合体などの繋留因子であり,RabなどのG蛋白質と結合して働く。
最も詳細に分子機構がわかっているのはシナプス小胞のエクソサイトーシスであり,ドッキング,プライミング,膜融合の三つの過程から成る1)。ドッキングは小胞が細胞膜につなぎとめられるステップで,Munc18-1などのSM蛋白質,RIM,Munc13がここで働く。プライミングは小胞が膜融合する能力を獲得するステップで電気生理学的に確認できる。プライミング因子としてCAPSやcomplexinがある。膜と膜を融合させるのがSNARE複合体(soluble N-ethylmaleimide-sensitive factor attachment protein receptor complex,小胞上のv-SNAREと細胞膜にあるt-SNAREの複合体)である。シナプス小胞のエクソサイトーシスでは,v-SNAREとしてVAMP2,t-SNAREとしてシンタキシン1とSNAP25が働く。この三分子それぞれが持つSNAREモチーフ(約60アミノ酸のコイルドコイル構造)が会合して複合体を形成する(図)。VAMP2とシンタキシン1は一つ,SNAP25は二つのSNAREモチーフを持ち,合わせて四つのSNAREモチーフが相互作用し捩れて,その力で小胞膜とターゲット膜を融合させる。
ドッキングの前のステップとして繋留を考えて,そこに焦点を当てた研究も多い。繋留の主役はエクソシスト複合体などの繋留因子であり,RabなどのG蛋白質と結合して働く。
参考文献
. 92:1915-1964, 2012
. 1174:3-18, 2014
.43:245-250, 2005
. 12:19-29, 2010
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