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文献詳細

雑誌文献

生体の科学66巻5号

2015年10月発行

文献概要

増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅱ.機能からみたシグナル操作法 2.タンパク質の一生

核─細胞質間輸送

著者: 盛山哲嗣1 岡正啓1

所属機関: 1国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所細胞核輸送ダイナミクスプロジェクト

ページ範囲:P.488 - P.489

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 真核生物の細胞には,遺伝情報の保存・伝達を行う細胞内小器官である細胞核(核)が,ほぼすべての細胞に存在する。核は,核膜と呼ばれる二重の脂質膜で覆われており,核膜上にある孔(核膜孔)を通して転写因子やRNAなどの様々な機能分子が核と細胞質の間を行き来している。核輸送因子として,アダプター因子であるimportin αファミリー(ヒトで7種類)と,輸送担体であるimportin βファミリー(ヒトで21種類)が同定されている。Importinファミリーは,核内外の低分子量Gタンパク質RanのGTP型(RanGTP)の濃度のグラジェントによって輸送の方向性を制御され,それぞれが基質特異性を持ち,かつ組織特異的に発現することで,何千種類もの積み荷に対して組織・発生時期に応じた輸送制御を行っている(図)。核─細胞質間輸送は,細胞分化や器官発生,がん,ウイルス感染など様々な生体現象に関与していることから,それぞれの積み荷の輸送メカニズムを知ることは,輸送をターゲットとした医療や創薬に結びつく。本稿では,核─細胞質間輸送機構を解析する手法について幾つか紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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