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増大特集 細胞シグナル操作法 Ⅱ.機能からみたシグナル操作法 2.タンパク質の一生
ユビキチン-プロテアソーム系
著者: 岩井一宏1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科細胞機能制御学
ページ範囲:P.494 - P.495
文献購入ページに移動ユビキチンは76アミノ酸から成る小球状のタンパク質性の翻訳後修飾因子である。ユビキチン修飾系はE1,E2,E3の3種の酵素群の働きでE3,ユビキチンリガーゼが選択的に認識する標的タンパク質にユビキチンを結合させる。多くの場合は,タンパク質に結合したユビキチンに次々とユビキチンが結合してポリユビキチン鎖が形成される。現在ではユビキチン間に8種類の結合様式があり(ユビキチンの7個のリジン残基とN末端のメチオニンを介する),ユビキチンの修飾様式によってタンパク質の制御様式が異なることが知られている。リジン(K)48,K11を介して形成されるユビキチン鎖がプロテアソームの識別シグナルとして機能することが明らかになっているが,K63鎖やN末のメチオニン1を介した直鎖状ユビキチン鎖はタンパク質を分解に導かず,シグナル伝達などに関与する(図)1)。また,近年,翻訳後修飾因子であるユビキチン自身がリン酸化,アセチル化されることも知られている。
ユビキチン化タンパク質を分解する26Sプロテアソームはタンパク質分解酵素活性を有する20Sプロテアソームと19S調節サブユニット(regulatory particle;RP)から構成される。19SRPはユビキチン化タンパク質を認識,アンフォールドし,タンパク質分解酵素の活性中心がある20Sプロテアソームの内腔に送り込む機能,分解されるべきタンパク質からユビキチンを切断する機能を有している1)。
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